近年、科学研究の世界では「イノベーション」という言葉がメディアを踊り、難病の治療や健康食品の開発に直接結びつくような応用研究がもてはやされています。そういった風潮に逆らう訳ではないのですが、大学という学問の場に身を置く当研究部門では、文化としての科学を地に足をつけて進めて行こうと考えています。基礎的な知見から大きなブレイクスルーが産まれると信じています。あわよくば教科書に載るような発見、人類の歴史に足跡を残せるような発見につながれば、研究者として生きた証になるでしょう。

 

当研究室では、初めて研究の世界を体験するであろう学生の皆さんに、まずは研究を進める上で必要となる基礎研究力を身につけて欲しいと思います。先人達が残した先行研究を深く理解し、どのような実験をすれば新しい知見が得られるのか、を学位研究で体験し、論文として発表するプロセスを学んでもらいたいと思っています。その経験を糧に将来的には、優れた研究成果を目指し、世界に通用する研究者として羽ばたいてくれれば本望です。